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青い兄さんが何かしでかした話のちょっとしたおまけになります
事後的な描写があるのですが、たいしたこと無いので今回は通常更新です
ワンピース
――カタッ
「「････････」」
ここまで、物音にビクビクしたことなんて一度も無い。
改めて考えて見ればとんでもないことをしでかしたと思うけど
「後悔してない時点でダメだよね」
狭いけど心地のよい腕の中から、大好きな人の顔見上げた。
ほぼ同時に見下ろしてきていた彼は、罰の悪そうに目線を逸らす
「･･･後悔してるの？」
その態度は初夜の後の態度としては酷いんじゃないの？
まるで悪いことをしたみたいじゃない。
「いや」「だったら･･･」
もう少し嬉しそうな態度を取ってほしいよ･･･
人がどれだけオーバーヒート起こしそうになったと思ってるの？
煮え切らない態度は、いらない心配を増やす原因にしかならないのに
「･･････とりあえず、服着ていい？」
聞き出そうにも、今の状態じゃ話せるものも話せそうにないし
なによりも･･････今の姿を見られたときのほうがマズイ
「ダメ」
「なんで！？」
今の状態をわかってるんだろうか？
どう考えたって言い訳できる状態じゃないのにっつ
ショウさんなら何も言わないかもしれないけど･･･
･･････～～っつ
「風邪は引かないだろ？」
「そういう問題じゃないでしょ！！？」
さっきまでとは打って変わって兄さんは不機嫌だ。
さっきからいったいなんなのよ
「ん」
腕の中から抜け出そうとした私を引き止めた癖に
今度は自分が抜け出して服を拾ったかと思えば
散らばっていた服の中から、白いコートを拾って差し出してきた。
「え？」「これ着とけばいいよ」
肩にコートを掛けた後で自分はズボンを穿いている。
･･･何かずるい、自分ばっかり。
「ワンピースとってよ！！」
「ダメ」「･･･････なんで」
･･･････････････なんでよ
「･･････」「･･･････」
何も着てないよりかはマシだから
カイ兄のコートを着て前を全部閉めようとしたけど･･･
思ったより襟が高くて無理だった。
全部が2回りは大きいのに、着心地は悪くない。
途中までチャックを閉め終わったところで
カイ兄は満足げに笑う。
「･････････バカ」「えぇ？」
＋＋
他の兄妹に比べると1人だけ季節が違うみたいで
悪目立ちするからってあまり着ていなかったデフォルト衣装も
たまには役に立つらしい
不満そうにむくれていたリンは、また寝てしまった。
････俺のコートを着たままで
ワンピースよりよっぽど暖かいし
何より色々と残っている痕を隠すのには最適だし
痕を隠してしまっても俺のだってすぐにわかるし
何て色々とリンに言ったけど･･･
ワンピース以外なら別に何でも良くて
出来るなら、まだしばらくはそのままでいてほしかった。
白を基調としたワンピース。
胸元の所にフリルがあって、ポイントで黒が少し。
いつもの白いリボンはなくて、黒のピンだけ。
いつもより、少しだけ大人びたリン。
ズボンしか穿かない彼女の珍しいスカート姿。
抑え目に笑えば誰もがきっと放っておかない女の子の出来上がり。
いったい
「誰に選んでもらったのさ？」
よく似合ってた。
似合いすぎて、困るくらい。
でも
俺じゃない奴に服を選ばせないで
俺以外の男と買い物なんかいかないで
似合ってたのが気に入らない。
君の事を1番理解しているのは俺がいい
俺しか必要ないだろう？
「･･････バカリン」
君が起きたら買い物に行こう
絶対、あのワンピースより君に似合った服を選んでみせるから
だから
それまでは･･･
「それで我慢してほしい、かな」
＋＋＋
あとがきもどき
本当は別の展開を考えていたんですが
兄さんが全然出てこない内容になりそうだったんでこんな感じに･･･
誰に選んでもらったかはお好きに妄想おねがいしますww
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