パソコンのデータを色々と引っ張り出していたんですが・・・
結構あるものですね、昔書いたオリジナルだの二次創作だのMIXだの。


大体出てくるキャラはスターシステムとかいうのみたいに
キャラコンセプトやら根源が同じのため似たような子が多いのですが・・・

そんなごちゃごちゃしたものの中でまだ見れそうなものをあげてみる。
とある曲をモチーフにしたファンタジーでございます。

友達とかに何度か見せた覚えがあるようなないような（オイ

続きからどうぞ

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五大帝国が一つ

スルト帝国
首都

 

―ダダダダダ

走る、走る、ひたすら走る

少年が一人

向かうは城下町の果ての果て

すでに時間は深夜を回り
町を歩く人はいない

「っつー」

走れ。走れ

城下町の路地
路地裏の古本屋
使い方も必要（いる）のかさえわからない水車

子供の頃の落書き
確かに確認した壁の傷跡

すべてを頼りにひたすら走る

 

たどり着いたのは

開けた夜空を見上げることのできる崖の上

あまり来ない森の中、君はおっかなびっくりで
僕にすがりついて歩いていたのを思い出す

 

「ーハァッハァッ…」

少年は

ただ夜空を見上げた
今にも泣き出しそうな表情で
君が空の色だと褒めてくれた目を潤ませて
出てくるのは、悔しいほど情けなくて

悲痛な

うめき声のような泣き声ばかり

「―ステラ」

少年名は『カーディナル=コンラッド=フォン=ジークヴァルト』

スルト帝国屈指の名門
ジークヴァルトの次男である

あの日

二人は出会った

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『はじめまして』
ジークヴァルト家は軍人の家系ながらも爵位が高く

『スピカです』

そのおかげだろう、君とあんな風に出会えたのも
ちょうど、同年代の子供がいなかったのも理由の一つかもしれない

最初は君が

『姫君』なんて自覚
全くなかった

『私ね、この国をもっと綺麗にしたいの』

まだ幼くて、抽象的で、綺麗過ぎる夢だったけど
君は語ってくれたよね

夜空を翔る星の下
輝いていた君の笑顔を覚えてる

 

「カーナ」

呼ばれた名前にハッとする
目の前には銀色に赫の瞳

「何やってるのさ」
「…ごめん」

眠れない夜も君の声が聞きたくて
こんな赤で塗れた手でも包んであげたくて

必死で募る寂しさ押し殺して
君の隣に立とうと剣を振るった

叶わない夢、そんなこと関係なくて
ただ、夢を追う君を
ひたすら見守っていたかった

どこか心の中で
新しく流れる時間にもどかしさを感じながら

 

もう

叶わない夢

「しっかりしろよ
俺の剣で怪我なんかしてみろ？
俺が叩かれる」
「わかってる」

今日という日を
どこで迎えたかったのか

「いくぞ」

―ガチャッ

目の前に広がる華やかな光景
まっすぐ、視線の先にいる
着飾った君の姿

―知らない男

 

ゆっくりと剣を携えて
(今にも男を切り裂きたいのを抑えて)

君の前に跪く
(手袋で隠れた手を誤魔化しながら)

「－今宵はお招きいただき、光栄の至りです」

「…スピカ姫。並びに、セフィリウス様。おめでとうございます」

震える声を、そっと隠して

「このような場で。無粋とは存じておりますが
我らは武人であり軍に所属するもの、剣こそが忠誠の証」

「我が命たるこの剣を持って、お二人に対する、忠誠を示す意
そしてこの場に無粋な物を持ち込んだ許しを請う意
…お二人への、祝っ…福の意を込め」

そうだ、その調子

「「剣舞を舞うことをお許しいただきたい」」

「…いいだろう」

ただの単調な形式だけの返事

ゆっくりと立ち上がり
君の前で距離をとる

目の前には自分と対照的な衣装をまとう者
対照的な剣を携えた、己の想いを知る者

チラリと

最後に君の顔を見て

柄を握り締める

 

 

どうか

「……」

「……」

―フッ

君が

―キィィィイイン！！！！

 

誰よりも幸せであるように

 

END




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あとがき

「ずっと一緒だった幼馴染はお姫様で、好きだったのにどっかの王子に持ってかれた騎士」の話


本当は祝いたくなんてないけど祝うしかない。
一緒に剣舞を舞っているのはライバル。


多分純愛。