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森での逢瀬、のようなもの・・・?


和風パロ、第二話です



++++



鳥が飛ぶ。
 
歌い、舞い、時に落ち
 
 
東へ西へ
 
 
まるで、生き物を照らし出す日女神(ひめがみ)のように
 
 
鏡ノ森≪オトツムギ≫
~二ノ針~
 
 
 
-チリン
 
風に揺れる鈴が鳴る。
 
 
少年-カイトの上に乗っている小鳥は
伸ばされた手を払い、あっという間に木の上に飛び上がる
起き上がった少年が見上げなければ成らないほどの高い木は
森の鳥たちが好んで集う広葉樹だった。
 
「そろそろ、その物好きも始末したらどうなのよ」
「必要ないよ」
 
こうやって会うたびに、彼女は森に来るなと繰り返す。
わざわざそれを言うために姿を見せるのだから
彼女自身も相当な物好きな気もするけれど・・・
 
 
「むしろ森(ここ)にいる方が気分は良いんだ・・・」
 
 
どうしてなのかはわからないけれど・・・息がしやすい。
森の生き物は、口を開かずとも心を感じ取る
生来口下手な自分にはそれが心地良いのか
・・・・それとも、単純に彼女に会えるのが関係しているのか
 
きっと、誰に聞いてもわからないけれど
 
 
「・・・元々、君たちと同じ生き物の血を引いているからかな?」
 
 
 
青い髪、青い瞳・・・・・・・ヒト以外の生き物の証。
周りは恐れるばかりで、何をされるわけでもなかったけれど
視線ばかり浴びて、言葉を交わす機会は殆どなくて
今、こうして会話するのにも・・・頭の中は空回っている。
 
「・・・里が嫌なの?」
「・・・・・・いいや」
「いじめられでもしているの?」
「まさか」
 
 
里は俺みたいな混血にも暖かい。
 
 
 
「・・・・・・・・・」
 
もしかしたら、それが煩わしいのかもしれない
ヒトは、どうしたって〝言葉〟で意思疎通を図る事しかできないのだから。
 
 
雀は俺をはるか上から見下ろして
ただ何をするわけでもなく、話を聞いている。
ヒトの世の話など退屈でしかないかもしれない
でも、俺にはこれしか話の手札はないのだ。
 
森のイキモノ(おに)である彼女との間には会話など必要ないのに
どうしてこんなに彼女と会話しようとするのだろう。
やっぱりそこはヒトなんだろうか・・・
 
 
 
 
会話は、これ以上は続かなかった。
 
いつのまにか日は沈み、小鳥はいない
慌てて森を飛び出した俺を笑うように
森中の木々が鳴った。
 
 

+++


あとがきもどき

雀と青いヒトの森での逢瀬・・・のような、もの
カイトは定期的に森にやってきては
雀相手にただ話をして帰っていく

会話ともいえない、殆どカイトが話しているだけの状況だけど
彼女と会えるだけでかまわないようだ

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