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こんばんは、お待ちかね?の和風パロです。
はじめは冒頭編引用しているんで途中から本編始まります
短いですが楽しんでいただけると嬉しいです
+++
―――鏡の森
神聖なる山を背に抱き、この里はある。
「先生!!せんせ~い!!!!」
栗色の髪を肩で切りそろえた少女が里の裏道を走っていく
その先にある唯一の屋敷の主人は、飛び込んできた少女に首をかしげた。
「どうした?メイコ」
「どうしたじゃないわよ!!またカイトがいないの!!!」
眉を吊り上げて、少女は主人に向かって怒鳴った
少し控えめな茜の紬も、彼女に掛かれば怒りの色だ。
花田の着流しに身を包んだ主人は、頭をかきながらため息を吐く
「心配しすぎだメイコ、どうせまた〝雀〟さがしだろう?」
「だから心配なんじゃないの!!!」
雀は雀でも〝鬼〟の雀何て冗談じゃないわ!!!
「先生の屋敷を通らないと山にはいけないもの!!
先生が気づかないわけないわ!!どうしていつもとめてくれないのよ!!」
主人は、髪を振り乱して怒る少女を宥め・・・静かに言った。
「止めようがないからだよ」
「なっつ!!!!」
「人であれ、なんであれ・・・生き物は総じて〝アレ〟に惹かれるものだ」
主人は、屋敷の背に広がる森を眺めて静かに言った。
「心配せずとも、カイトは大丈夫だよ」
あの子は、決して森に嫌われてはいないのだから。
鏡ノ森≪オトツムギ≫
~一ノ針~
深い、深い森。
獣道ばかりで、人の足の踏み場など殆ど無いはずの森にある
数少ない人の足跡を追うと・・・湖がある。
森の中心部に位置するその湖の辺で
一人、少年は立っている。
僅かに水面が風で揺れる以外、動きは無く、音もない。
静けさが支配者となるこの森で
最も物珍しい彼は
森の奥、
確かに聞こえた〝鳥〟の歌声に顔を上げた。
湖に映し出された青い空と、同じ色調の瞳が喜びに輝いて
少し歪んだ口元から流れ出る歌声。
12かそこらの少年の歌声と、鈴のような鳥の歌声が重なる。
美しい音が連なり、森に響いていく
どんどん近くなる歌声は
金の雀を連れてくる。
―ガサッツ
頭の上で木々が揺れ
―ドサッツ
倒れこんだ少年の上に、一人の少女。
「・・・・・・懲りない子ね」
何度言えば理解するのかしら・・・
チリン、と、少女の髪飾りが揺れた。
「懲りないよ」
こうやって歌えば答えてくれるだろう?
少年は、上に乗っているのにも関わらず
殆ど重さを感じない少女を見上げた。
「・・・今日もまた会えた」
金色(こんじき)の雀(ことり)
美しい・・・・・・〝鬼〟
++++
あとがきもどき
金色の雀→カナリア
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